サントリー「樽ものがたり」の基本コンセプトは、同社でウイスキーを作るのに使った「樽」の再利用です。
※このページは、サントリー制作のパンフレットより、ウイスキーオークの一生の項を抜粋いたしました。
●樽は樹齢100年のオークから
ウイスキーの樽は、数ある樹の中でもオークという樹でだけ作られます。オークはクエルクス(Quercus)というコナラ属の仲間の総称で、日本のミズナラもその一種。ウイスキーをつくる成分はこのクエルクスの仲間にしか含まれていません。樽材に適しているのは樹齢100年以上のオークの巨木。今年芽生えた若木だと西暦2100年にやっと樽になる…そんな尊い木ですから、感謝して大切に使いたいと思わずにいられません。
さて、伐り出した丸太は自然乾燥の後、樽の長さより少し長めに輪切りして縦切りに4分割。各々をやはり年輪の中心を通る形で分割して、柾目板を取ります。贅沢な取り方ですが、柾目板でないと漏れない樽はできません。高級家具材ともされる立派な板で樽は作られるのです。
●樽の寿命は50年から70年
樽作りは、まず、板の上下面を鉋で削り、長さを切りそろえ、それから曲線を描いて両端がすぼまる形に側面を削ります。樽の胴のきれいな曲線はこの削り方にかかっています。次いで側面を集めて仮輪で絞り、蒸煮します。そしてきちんと樽型に成形し、樽の内面を焼きます。ここは、製樽行程のクライマックス。樽の内面を焼いて表面に炭をつくるチャーや、燃やさず穏やかに焙るロースト…焼き具合によってウイスキーの熟成が変わってくるので、気が抜けません。
鏡板は、板と板を木の釘で継ぎ、円形に削り、内側になる面を焼きます。これを樽の胴にはめ込み、輪締めします。最後にダボ穴と呼ばれる口穴を開ければ"一丁"上がり。樽は板と帯鉄だけで作り、金釘や接着剤はいっさい使わないのに、良い樽は30トンの重さにもびくともしません。これから50年〜70年使う樽だから、熟練の職人の手できっちりと作るのです。
●樽の一生
ウイスキーの樽は、バーボンを例外として、何回も貯蔵に用います。オークの香りぷんぷんの新樽は、木香が強く、熟成も速いので原酒は早い段階で樽出しして使います。その空き樽を「一空き」と呼び、2度目の貯蔵に用います。同様にして3度目の貯蔵に使う樽を「二空き」、4度目の樽を「三空き」と呼んでいます。使い込むほどに樽は練れて、木香が上品になり、長期熟成モルトの熟成に用いられます。
こうして4.5回ウイスキーを貯蔵するとさすがに樽材の成分も枯れて、プレーンな味わいしか出せなくなるため、その後はグレーンモルトウイスキーの貯蔵や後塾樽として用いられます。
通常は、樽の一生はこのように展開されるのですが、材木としての強度などにはまだまだゆとりある性能を持っています。この後にもう一度、この貴重な材料を活かしたい…ここに「樽ものがたり」が誕生したのです。 |
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オークの森

柾目取りするために、スプリッターで幹の中心を通るように割っていく

歳月を重ねて呼び名が変わる樽の歴史
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